いつもあたりまえのように行っている理容室。私の世代でいえば「床屋さん」。店主は理容師歴50年。髪を切ってもらうとぜいたくな気分になります。
今日の空
理容室は「床屋さん」
昨日、髪を切りに理容室に行ってきました。理容室とは言い慣れなくて「床屋さん」といった方がしっくりきます。
年々、髪のボリュームが少なくなるとはいえ、不思議といく回数は減らないもの。そろそろ髪を切る時期と、久しぶりにセミナー講師をする(最低限の身だしなみとして)タイミングが重なり行くことになりました。
その床屋さんには物心がついた時から行っています。もちろんずっと行っているわけではなく、大学生のときや、社会に出て10年ほどは行っていませんでした。
やはり、おしゃれ盛り時期は「床屋」には行かず、いろいろな美容室をまわっていました。10数年間のブランクを経て再び戻ってきたのです。
髪は切ってもらったことがないのですが、以前トレーニング指導をさせてもらった理容師の方が言っていました。
女性は年齢とともに、床屋さんから美容室に変わっていくのですが、男性は私のようなパターンが多いそうです。
多感な時期は「床屋」はおしゃれじゃないと思い、一時期みんな美容室に行くのですが、年齢が落ち着いて、遠いところに引っ越しをしなければ、元の床屋さんに戻ってくる人も多いのだとか。
それからは何十年と通うそうです。
引っ越しをしても、帰省の際は必ず来てくれるお客さんも少なくありません。
床屋さんは「リピート客に支えられた究極の商売」なのです。
そこは女性の方と違うところではないでしょうか。
また「床屋」は家業として営んでいるところが多く、美容室のようにスタッフの移動や、入れ替わりなどがないからかもしれません。
男性の方の「床屋あるある」ではないでしょうか。
店主は理容師歴50年、その父は戦時中から理容師
10数年のブランク経て戻ってきた床屋さん。店主は理容師歴50年です。10数年前に亡くなった、店主の父は戦時中から理容師だったそうです。
私は子どもの頃から店主を知っていますから、理容師歴50年と言われても不思議ではありません。しかし、若々しいのと、定期的にお店に行っているのであまり年齢の変化を感じることはありませんでした。
ですから50年と聞いたときはびっくりしました。(私も年をとったのだなとも)
子どもの頃は、お店の近所に住んでいました。今でも通っている私の父が行っていたからでしょう。
最初の頃、髪は今の店主の両親に切ってもらっていました。ご夫婦でお店をやっておられました。お二人とも10年ほど前にお亡くなりになりましたが、私が大学進学で東京に行くまで、そこに通っていましたから今でもはっきり覚えています。
あまり会うことのない親戚よりも当時の様子を鮮明に覚えているのは不思議なものです。私が10数年のブランクを経て戻ったときも、まだ店主のご両親は数年お元気でした。そのため記憶が上書きされているかもしれませんが。
髪を切ってもらっている途中、ふと、店主のご両親のことを思い出し、聞いてみました。
父親がいつから理容師をやっていたかは知らないが、戦時中はもうやっていたそうです。今から74年以上前でしょうか。
「えらい人の髪を切ると、その日の訓練が楽になった」とよく言っていたと教えてくれました。
若い男性は当時、坊主頭でしたから、バリカンで友だちどうしで刈っていたでしょう。理容師は上官(?)など、えらい人の髪を切ることが多かったのではないでしょうか。
親子2代にわたって75年以上続く家業だったのです。すごいです。
(私の元部下は140年続くお店のお嬢さんでした)
私は「長く続いてきた」とか「職人」ということに、あこがれを持っているので、その話を聞いてなぜかとてもうれしい気持ちになりました。
あっという間の1時間の散髪でした。
「散髪」という言葉も今はあまり使わないかもしれませんね。
理容師歴50年の人を1時間も独占できるぜいたくさ
「散髪料金」は女性が利用する美容室の料金よりも安いですが、若い頃は高いと思っていました。
しかし、理容師歴50年の人を1時間も独占することを考えるととても安いことに気がつきました。
職人にお願いするのですから、とてもぜいたくなことです。
床屋さんに限らず、美容室の話などは、きっとみなさんもたくさんできるのではないでしょうか。友だち同士でも盛り上がりますし。
・お店を選んだ理由
・そこに行くようになった経緯
・そこでの歴史
・思い出
・ハプニング
・成功談
・失敗談
・店主やスタッフとのエピソード
などなど。語りだしたらキリがないのではないでしょうか。
それは他人にとってどうでもいい話かもしれませんが、
みなさんひとりひとりにとっては、思い入れや、ストーリーがあるのではないでしょうか。
私もまだまだ「床屋さんネタ」は書こうと思えば書けますし。
このように床屋や美容院は、あたりまえのようで「特別な存在」です。
そんな「特別な存在」の場所で、数時間を過ごす。
理容師歴、美容師歴に関わらず、手に職を持っている人を数時間独占できるのは、とてもぜいたくなことではないでしょうか。
いつもそう思って「床屋」に行っています。
みなさんの理容室や美容室はどんなところでしょうか。
【編集後記】
明日はある競技クラブの体験会に参加してきます。
会が発足すれば、「しっかりとしたトレーニング指導を導入したい」
という代表に賛同してお手伝いすることにしました。(まだ決定ではないのですが)
私もきっちりとしたものを、楽しく伝えたいと思います。
楽しんできます。
【昨日のOnce a day】一日一回新しいことを
・肉そば(太麺・ハーフ)
・新しいプラグイン
・WordPressのバックアップ
・FFFTP