スキーやスノーボードを安全に。心掛けておきたい安全10則

楽しいウインターシーズンもあとわずか。シーズン終盤でスキーやスノーボードでケガをしては元も子もありません。ケガをしないために心掛けておきたい安全10則を紹介します。

セイモアスキー場*セイモアスキー場にて 第二リフト

インストラクターは安全10則を暗記する

SAJ(全日本スキー連盟)には事故やケガに遭わないための安全10則があります。スキーやスノーボードのインストラクター、そしてパトロールになるとき、一度は必死に覚えます。暗記するのは試験に必ず出るからです。

 

安全10則はインストラクターをしている私たちからすれば暗記しているので、あたりまえのことです。

・「自信過剰は事故のもと」
・「もう一回、そこがスキー・ボードのやめどころ」

なんて言葉はすぐに出てきます。
インストラクターがすぐに言うあるあるです。

そんな安全10則は、スキーやスノーボードを楽しむ方にはあまりなじみがありません。
安全に楽しむためにはとても重要なことです。
今回は10則のうち5つを紹介します。

これらはスキーやスノーボードだけではなく、すべてのスポーツに関連しています。
私もトレーニングコーチとして人のサポートをするときにはいつも心掛けています。

安全10則

安全のための10則です。

1、準備運動は忘れずに

2、無理なスピード事故のもと

3、自信過剰はケガのもと

4、睡眠不足はケガのもと

5、止まるな、休むなコースの中で

6、割り込みや無理な追い越しはやめましょう

7、安全締具も調節次第

8、服装整え安全第一

9、もう一回、そこがスキー・ボードのやめどころ

10、事故なら無理をしない

 

とても語呂がよくすらすら言えるようになっています。
前半の5つをスキーヤー、スノーボーダーの観点から体験を交えてまとめてみます。

 

スキーやスノーボードを安全に楽しむための5則

楽しいスキーやスノーボードですがケガをしたり、ケガをさせてしまったりした場合、たいへんな思いをしてしまいます。安全に楽しむための5則を心掛けてみましょう。

 

1、準備運動は忘れずに

準備運動の必要性は誰でも知っていますが、なかなかできないものです。

特にスキーヤーやボーダーはスノーウエアを着ていますし、歩きにくいブーツを履いています。
下は雪ですし、もちろん寝転がることもできません。
駐車場でウエアに着替える前に十分に動くのも方法ですが、カラダはすぐに冷えてしまいます。
準備運動をするのはとても難しいことです。

そんなときはリフトやゴンドラに乗っているときにカラダを動かしましょう。
上半身は自由に動かせるので、手首、肘、肩などをしっかり動かします。

特にボーダーは手首を痛めやすいです。入念に動かしておきましょう。
スキーヤーは親指を痛めやすいです。
ストックをついたとき痛める可能性があります。

リフトを降りたら屈伸や股関節ひねりをやりましょう。
「寒い&すぐに滑りたい」でめんどくさいでしょうが、ここが肝心です。

 

2、無理なスピード事故のもと

初心者は止まる技術を。上級者は予測判断をしましょう。

無理なスピードには2種類あります。
自ら出すスピードと、出てしまったスピードです。

自ら出すスピードは上級者です。
めちゃくちゃ飛ばすのはいけませんが、ある程度スピードを出さなければ上手くはなりません。
そんなときは前、左右、後ろから滑ってくる人のすべてを予測しましょう。

もちろん、大転倒などの単独事故も防がなくてはいけませんが、上級者は人を巻き込んでもいけません。

常に周りを観察し予測をしましょう。
初心者が急に飛び出してきてもスキーやスノーボードの世界では上級者が加害者です。
自動車ルールとは違うことを確認しておきましょう。

初心者は技術不足ゆえのスピードです。
暴走と言えるかもしれません。

暴走しないように、しっかり止まる技術を。
しっかりコントロールする技術を磨きましょう。

緩やかな斜面での練習、しっかりとしたサポート(教えてもらう)が大切です。

初心者が暴走して相手に当たってしまうと、上級者の場合と違い自分がケガをする可能性が高くなります。

痛い思いをしないためにもスピードをコントロールする技術を早く獲得しましょう。

3、自信過剰はケガのもと

ちょっとだけ滑れるようになった、ちょっとだけ上手くなった時が一番危険です。

日曜日に病院に緊急で運ばれてくる人のほとんどは自称中級者です。
(13年間病院職員でした)

スキーヤーは無理なスピード、ボーダーは無理なジャンプやトリックなどが原因です。
アクシデントによるケガは防ぎようがありませんが、できる対策はしておきましょう。

自信過剰にならないというメンタルと

・リストガードやプロテクター
・ヘルメットやゴーグル

などのグッズで予防しましょう。

 

4、睡眠不足はケガのもと

スキー場に行くには、時間をかけて雪道を運転しなくてはいけません。
バスに乗ってきたとしても早朝でしょう。

多くの方は前日の夜はあまり寝ていません。

私もスキー場に行くときは駐車場対策で早くに行くようにしています。
そして遠足を待つ小学生のように前日はよく眠れません。

前日からスキー場近くのホテルに泊まっていても、楽しい飲み会や懇親会があり遅くまで起きていますし……。

寝不足だと自覚してスキーやボードをしましょう。
無理をしないということです。
ゆとりある計画が理想ですが、なかなかできません。

せめて
・少し車で寝る(駐車場で)
・休憩をとる
・早めに終了する
・無理をしない

などしましょう。

5、止まるな、休むなコースの中で

これは初心者やインストラクターは注意をしなくてはいけません。

 

スキーでもボードでもコースの真ん中に倒れこんでいる人がいます。
コントロールできず、どうにもできないのでしょうが、速やかにコースの横に退避しましょう。

転ぶとよく照れ隠しで仲間に「わー!」と言って大の字に寝そべっているのを見かけます。
危ないのですぐに移動です。
ひかれてケガをするとシャレになりません。

狭い林道コースや連絡通路の真ん中で座っているボーダーも見かけます。
狭いので避けようがありません。
素早い退避を。

インストラクターも気をつけてはいるのですが、ときどきレッスンの列がコースのど真ん中にあるときがあります。
いいコースを滑ってレッスンしたいのですが、マナー違反です。
コース脇に並びましょう。

そういう私ですが、レッスンをする立場としてちょっとしたお願いを。

狭いコースだとコース脇が明確ですが、広いコースだとコース脇が明確ではありません。
なるべく邪魔にならないようにしますので、その時はご勘弁を。

 

以上、安全10則の5則でした。

 

安全10則はトレーニングにもつながる

安全10則のうち5則を詳しく説明してきました。スキー、ボードの安全のための5則ですが、トレーニングにもつながります。

 

1、準備運動はもちろんです。
いきなりメイントレーニングはケガのもとですし、怖くてできません。
準備運動でカラダを温めるのはもちろん、準備運動は体調のチェックになります。

2、無理な回数や重さはケガのもとです。
適切な回数、適切な重さでやらなければトレーニング効果はもとよりケガにつながります。

・どのような効果を出したいか
・何を目的としているか
・今の時期は何を狙っているか

などプログラムがあるはずです。
「メニュー」と「プログラム」の違い。「メニュー」はお品書き。「プログラム」は給食の献立。

3、自信過剰はけがのもとです。

・できているつもり
・やっているつもり
・知っているつもり

は危険です。ときどきチェックしましょう。
そしてチェックもしてもらいましょう。
正しいフォームで行っているのかは、みてもらうのが確実です。
もちろんわかっている人にですが。

4、睡眠不足はケガのもと。休息も取りましょう。
オーバーワークは体力も回復しませんし、トレーニングフォームも崩れます。
トレーニングと栄養と休息はセットです。

休息のメインは質の高い睡眠です。
しっかり眠ってトレーニングをしましょう。

5、止まるな、休むな練習中……(ちょっとこじつけかな)
与えられた回数、セット数はがんばってチャレンジしてみましょう。
もちろん無理をする必要はありませんが、あと一回、もう一回の精神も時には必要です。

風邪で休む、ケガで休むことにならないようにしなければいけませんね。
(すみません、ちょっとこじつけました)

 

以上、トレーニングの5則でした。

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スノースポーツはとても楽しいものです。
長くても6か月もできません。
石川県だと3か月ですが。

その楽しいスノースポーツでケガをしてはもったいないです。
痛いですし。
もし、ケガをさせてしまってはたいへんです。
大きな責任と大きな代償を負うことなります。

できることをやって防止をしましょう。

残りの5則もいずれ解説します。
お楽しみに。

 

【編集後記】

あるイベントが中止に。
講師を頼まれていたのですが仕方がありません。
主催者側の勇気ある決断。感謝します。
再度依頼されるように精進です。

【昨日のOnceをa day】 一日一回新しいことを

・得生姜焼き弁当
・USBメモリーから印刷 ファミマ
・ファンヒーター

おしらせ 2  
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