ウエイトトレーニングにおいて、大きな筋肉と2つ以上の関節を使う「コアエクササイズ」
「コアエクササイズ」のコア(核)は「パワーエクササイズ」だと思っています。
「コアエクササイズ」と「補助エクササイズ」
ウエイトトレーニングにおいて「コアエクササイズ」と「補助エクササイズ」があります。
「コアエクササイズ」は
・2つ以上の主要な関節が使われること
・大きな筋肉が使われること
などの条件を満たすエクササイズです。
2つ以上の関節を動かし、大きな筋肉を使うトレーニングがこれです。
2つ以上の関節を使うので「多関節エクササイズ」ともいいます。
たとえばベンチプレス。
ベンチの上に寝て、おもりを上げ下げするトレーニングです。
・肩の関節と肘の関節を動かし(多関節)
・胸の筋が動き、それを肩の筋(三角筋前)と二の腕(上腕三頭筋)が補助します。
代表的な「コアエクササイズ」です。
それに対して「補助エクササイズ」があります。
「補助エクササイズ」は
・1つの主要な関節だけが使われること
・使う筋肉が少ない(1つの小さな筋肉)
と分類されています。
「多関節エクササイズ」に対して「単関節エクササイズ」といいます。
補助エクササイズの代表は「ダンベルフライ」
ベンチの上に寝て、おもり(胸)を左右に開くトレーニングです。
・肩の関節は動かしますが、肘は固定
・主に使うのは胸の筋肉
だからです。
・ベンチプレス=多関節エクササイズ
・ダンベルフライ=単関節エクササイズ
・多関節エクササイズ→コアエクササイズ
・単関節エクササイズ→補助エクササイズ
と覚えれば、わかりやすいかもしれません。
「ストラクチュアルエクササイズ」と「パワー(爆発的)エクササイズ」
「コアエクササイズ」はさらに「ストラクチュアルエクササイズ」と「パワー(爆発的)エクササイズ」に分けられます。
「ストラクチュアルエクササイズ」
「コアエクササイズ」のなかでも、背骨に負荷がかかるエクササイズを「ストラクチュアルエクササイズ」といいます。
「ストラクチュアルエクササイズ」は
・立った状態
・ほぼ立った状態(膝つき、片足など)
で、おこなうエクササイズをいいます。
立った状態でトレーニングをするので、体幹に刺激(負荷)がかかります。
体幹全体への負荷ですが「ストラクチュアル」というように、脊柱(背骨)に刺激がかかるのです。
たとえばスクワット。
おもりのついたバーベルを、背中で担ぐので脊柱に負荷がかかります。
スクワットの動作は、カラダを下げたり上げたりすることです。
体幹を立てていなければバーベルが落ちてしまいます。
体幹を立てておく=姿勢を保持
なのです。
姿勢を保持しておかなければ、おもさに負けて、カラダがつぶれてしまうのです。
それを鍛えるのが「ストラクチュアルエクササイズ」です。
「パワーエクササイズ(爆発的エクササイズ)」
「ストラクチュアルエクササイズ」を素早い動作でおこなうトレーニングを「パワーエクササイズ」と言います。または「爆発的エクササイズ」とも。
「ストラクチュアルエクササイズ」の中でも
・素早い動き
・爆発的な動き
で、おこなうトレーニングを「パワーエクササイズ」といいます。
重いものをただ上げるのではなく、素早く(速いスピードで)上げるので「パワー」です。
(パワーは力にスピードをかけ算したものです)
爆発的にカラダを使うので「爆発的エクササイズ」です。
たとえばパワークリーンやパワースナッチ。
バーを床から素早く、肩の上(鎖骨付近)や頭上に持ち上げるトレーニングです。
可能な限り素早く上げなければタイミングよく持ち上がりません。
オリンピック種目である「重量挙げ」をイメージすればいいでしょう。
(ビック3の重量を競う「パワーリフティング競技」とはちがいます)
「パワーエクササイズ」は多くの関節や、多くの筋肉を素早く動かすトレーニングなのです。
そしてカラダに多くの刺激が入ります。
まさに「コアエクササイズ」の核のようなエクササイズです。
「補助エクササイズ」よりも「パワーエクササイズ」をしよう
「補助エクササイズ」よりも「コアエクササイズ」。「コアエクササイズ」の中でも「パワーエクササイズ」をすすめています。
これまでコアエクササイズを中心に紹介してきました。
もう少しだけ「補助エクササイズ」の説明も。
「補助エクササイズ」は特定の筋肉や筋だけを個別に鍛えるトレーニングです。
・関節周辺の筋バランスの維持
・傷害予防
・傷害からの回復
などに役立ちます。
カラダ全体を鍛えるというよりも、筋肉のある部分を鍛えることに効果があります。
リハビリや、一部、ボディメイクにとても有効です。
特定の部分を集中的に鍛えるのはいいのですが、カラザ全体となると効果は落ちてきます。
「補助」といわれるのは、これだからでしょう。
私はトレーニングをサポートしていますが、トレーニングの大半が「コアエクササイズ」を選んでいます。
「コアエクササイズ」の方が、より効率的にカラダを鍛えることができると考えているからです。
そのためプログラムの大半を「コアエクササイズ」にしています。
(「補助エクササイズ」を全く入れていないわけではありません)
「コアエクササイズ」の1種目は、「補助エクササイズ」4~8種目に匹敵すると言われています。
「コアエクササイズ」をドカーンとやる方が、「補助エクササイズ」をたくさんやるよりも効率的なのです。
そして「コアエクササイズ」の中心にある「パワーエクササイズ」
・パワースナッチ
・パワークリーン
・プッシュプレス
・プッシュジャーク
・各ハイプル
など、技術はいりますが、カラダ全体を鍛えるにはとても効率がいいのです。
(正しいトレーニングコーチに正しいスキルを学ぶのが重要ですが)
・だれでも
・すぐに
できないのが「パワーエクササイズ」のネックです。
しかし、「パワーエクササイズ」をトレーニングに取り入れることができれば、得るものはとても大きくなります。
冒頭の図のように、コアエクササイズの「コア(核)」はパワーエクササイズですから。
「パワーエクササイズ」をぜひトレーニングに取り入れましょう。
そして「爆発的エクササイズ」をどんどんやっていきましょう。
【編集後記】
サポートしている選手がトーチキッスに参加します。
3年後のパリでは選手とトレーニングコーチとして、聖火をみたいものです。
いや、みているでしょう。
【昨日のOnce a day】 一日一回新しいことを
・豚キムチとチキンソースカツ かつや
(もちろん半分テイクアウト)